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日本の米軍基地に
ついて思うこと

 アメリカにいると私はたいてい韓国人か中国人のどちらかに間違えられる。ズパリ日本人と当てられた事は未だない。しかし75歳以上のアメリカの男性はちがう。必ず日本人と当てるか、迷って「フィリピン人か日本人」という。そして私が日本人とわかると「私は日本の○○基地に居た事があるんだよ」と″日本に居た事がある″というお互いの共通点を好意的に話してくるのだ。それが私の生まれるずっと前の話で、横浜や沖縄など私の行ったこともない所だったりすると、このテーマで会話を続けるのがかなり難しくなり、最後にその人は「日本の人びとはとても礼儀正しくて親切だった」と良いコメントをして終わるのが定番となっている。まあ私を目の前に、しかも初対面で日本の事を否定的に言える人はまずいないと思うが、本当に感じのいい人たちを前に、私はこのような会話をする時、少し複雑な気持ちになるのだ。

 今、日本は沖縄基地でおこった米兵の暴行事件で大変熱くなっていると、日本から送られてきた新聞で知った。このような事件が後を絶たない事に怒りを感じる。それに加えて「なんで日本にアメリカの基地があるのか」という疑問がわいてくる。これがどう考えても変な事だ。私の同僚に「あんたアメリカに外国の基地があったらどう思うかね」と聞くと「とっとと追い出すね。」と言っていた。せりゃそうだ。自分の土地に知らない人が入って来て「この土地を守ってやるよ」って言っているうなものだ。まったくプライパシーの侵害と言っていい。この同僚の当然の返答には利害関係がまったくなくて潔いではないが。日本もアメリカも、政治を動かす一握りの人間が自分たちだけの利益き追求し、どちらも「これは都合がいい」とどこかで計算するからややこしくなるのだ。基地が未だに日本に存在するのはそういう取り引きのある結果と私は思う。

 よその国まできていったい基地で何をする事があるのかと不思議に思う。きっと一般の兵隊はブーツを磨いたり、弾撃ちの練習や、休み時間にはウェイトトレーニングなんかして過こしているのだろう。軍隊にいた事のある同僚のジェフに「あんた、毎日軍隊で何をしていたわけ?」と聞くと大体そのような事をしていたと言う。私が「そんなくらいのことだったら自分の国でやればいいじゃん」とつい大きな声で言うと、ジェフは「そんな事オレにいわれても…」ととまどっていた。日本の国民の税金をふんだんに使い、アメリカの兵隊を日本に送り、自国でもできる様な訓練をさせる事にどれだけの意味があるのか、疑問である。

この前、14人の同僚とあるゲームみたいな事をした。それはみんなで輪になり、各質問に対して「イエスだったら1歩前にでる」というものだ。自分の本心にどこまでも忠実でなければいけないし、仲間の信頼関係がなければ難しいものだ。もちろん みんな真剣だ。そして「戦争がおこったら、国を守るために喜んで兵役に志願するか?」という質問がでた。 さて、何人が前に出たか…。

 私は愛国精神の強い米人のことだから半分は前に出ると思ったが、何と2人だけであった。その1人はジェフだった。後で彼は「すごく、ショックだった...」とその動揺を語っていた。このことはアメリカの政府が国民の信用を失ってきている1つの証だろうか。こんな事ではアメリカは他の国を守るどころではない。

 戦争は過去のものでも、基地がある限りまだ戦争が続いている感じを私はぬぐえない。私のギリシャ人の友達が「ギリシャにも米墓地があったけど私たちはとっとと追っ払ったわよ。基地があっても何にもいい事なかったわ」と言っていた。私もいつか彼女のように堂々と言える日が来るだろうか。そして基地へ行った事のある人たちと話す時「あの墓地はなくなったんですよ」という私のコメントで会話を締めくくれたら、どんなにいいだろうかと思う。
  (題字・カットとも筆者)


村岡 由美子
*プロフィール*
  1971年大阪生れ。奈良・岡谷病院で看護婦として勤め、1996年にアメリカ人のヒースと結婚し渡米。
 現在は、非営利団体で「家を建てる」ためのボランティアコーディネーターをするなど、あらゆることに挑戦しながら絵日記エッセーをかく。

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