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−チームワークで とびきりの病院食− 

 「マグロの解体」「バイキング料理」「男の料理教室」・・・奈良・おかたに病院の栄養科は元気です。患者さんに喜んでもらえる病院食をめざして、日々、研究にとりくむ栄養科を訪ねました。(鐙 史朗記者)

 おかたに病院は3年前、一般病棟100床、療養病棟50床の病院として新築、移転しました。真新しい玄関を入り、栄養科のある2階へ。スタッフは総勢24人です。

 「新料理」に挑戦

 厨房では、4人の職員が声をかけあい、夕食を盛りつけていました。「患者さんごとに料理の違いがあるので、確認しながら作業しているんです」と小枝弘明科長(調理師)。メニューは、酢豚と杏仁豆腐です。盛りつけ台の酢豚は・・・不思議なことに、湯気が立っていません。
 それもそのはず、ここでは3年前の新築、移転の時に、新調理に対応した電化厨房にし、「クックチル」や「真空調理」という調理法を導入しています。「治療食である病院給食を私たちには直接管理する責任がある」と模索した結果です。
 主厨房では、前日に調理した酢豚を専用の冷却機器で冷まし、低温で保存。翌日、そのままトレイに盛りつけ、再加熱カートで、78度以上で約35分加熱します。トレイの加熱プレートの上で、主菜の酢豚だけが温まるしくみでした。再加熱カートを病室に運び、別に温蔵庫で運んだご飯とみそ汁を配膳します。
 煮物などは1日おくので、塩分を控えた薄い味付けでも味がしみておいしくなるそうです。残飯も、以前の4分の1にまで減りました。
 また、月・火・水曜は2種類から選ぶ「選択メニュー」の日。患者さんの要望をできるだけ尊重し、楽しい食事ができる工夫をしています。

 旬のものを

 トラフグ、関アジ、カニ、スッポン、ウニ、ハモ、松茸・・・こんな食材も患者さんの前に並びます。「病院食だからといって、出せないものはない。旬のものを食べてもらいたい。おいしいものを出したい」と、小枝さん。食材は一般業者だけでなく、小枝さんが通勤途中にある市場に立ち寄り、管理栄養士と相談しながら仕入れています。市場では「本当に病院で使うのですか?」と驚かれることも。
 「500円の食材でも1000円の仕事をするつもりで」「患者さんの類を思い浮かべながら、盛りつけよう」と、声をかけあっています。梅干しや「からすみ」も手間を惜しまず手作りします。行事食の盛りつけに使う竹も、山へ切出しに行くほどのこだわりです。
        *  *
 患者さんに病院食の感想をきいてみました。「入院は初めて」という坂本勤さんは「病院食はおいしくないと覚悟していたのですが、冷たいものは冷たく、温かいものは温かく出てきて、おいしい。カロリーや予算が制限された中で、メニューも工夫しているのには感心しました。先日のひな祭りの行事食もかわいくて・・・弱っている患者にはちょっとした気遣いがうれしい」。

 青年のアイデアもとりいれ

 スタッフの知恵も大切にしています。お刺身にするつもりで仕入れた魚でも、皆から調理法について意見を集めます。「若いスタッフからは、とんでもないアイデアも飛び出します。そういう意見もとりいれて献立にすると、やりがいにもつながります。良いものができれば、レシピも更新します」。
 市場からもらってきた魚のアラに「病院にある調味料で味付けして」と、若い調理師に課題を出したり、昼食時に検食して評価しあうなど、後継者育成や研究にも余念がありません。
 調理師の箕浦 和さんは、4年目の青年職員。老健から転勤したばかりです。「機器を使いこなすのが精一杯。病院は治療食も多いので、学ぶことはいっばいあります。将来は、患者さんにいろいろなものを心を込めて、つくれるようになりたい」。
 管理栄養士の小東なつき主任は、「突然のメニュー変更はたいへんですが、旬のものを入れるとメニューの幅が広がって良い。お互いのコミュニケーションがなければ、できない仕事です。なんでも言い合い、解決できる関係だからこそ」。
 「入院中の患者さんには、食事が一番の楽しみです。『今日は何が出るのかな』と期待していただける食事をこれからも出していきたい」小枝さんの抱負です。

イベント『和食・洋食・中華10人のシェフによる新調理の饗宴パーティー』の「10人のシェフ」に小枝さんが選ばれました(新調理技術協議会主催)。

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